浪費こそ人生。浪費ができない人生はつまらない。
とか良く聞く言葉で
You Tubeでお金について話している「両学長」も時々こういう発言をします。もちろんバランスを大切に「全く浪費しない人生もつまらないよね」ってなソフトな感じの発言ですが。
ただ、そもそも浪費できない人生がつまらないと思ってるのは自分であって、浪費しないと本質的に人生がつまらなくなるわけではないと思うんですよね。
浪費しない人生に価値はない…と思うのは自分が「そう思ってるから」
「お前がそう思うならそうなんだろう。お前ん中ではな」
浪費しない人生に価値はないと思うのは、自分がそう思ってるからに過ぎません。
人間ってのは想像以上に感情で動く生き物だそうで、何かしら感情的な理由をつけて動機づけをして生きています。
しかし、そもそもこの世界に価値なんてものは存在していません。
- 命の価値は重いです。大切にしましょう
正しい言葉ですが、これは生物として生きる上で、人間が社会性を維持する上での道徳であって、生命はただの事象に過ぎません。
世界にそれが存在しているという事実と、我々がそれに価値を感じるというのは全く別の話で
後者は後付です。
「本質論的な生き方の方が大衆的な生き方である」とも言えるでしょうが、ボクは事実を事実として捉えて生きる方が「生きやすい」と思うので、実存哲学的な思考の方が処世術として優れていると思うのですが、それは一旦おいておいてもう少し、噛み砕きましょう。
- 友達がいない人生はつまらない
- 洋服が買えない人生はつまらない
- スマホが無い人生はつまらない
- You Tubeが無い人生はつまらない
- 映画が無い人生はつまらない
- ゲームをしない人生はつまらない
- アニメが無い人生はつまらない
- 酒が飲めない人生はつまらない
- アイドルがいない人生はつまらない
- Vtuberがいない人生はつまらない
独断と偏見で並べましたので、どこが区切りになるかわかりませんが、上から下へたどっていく中でどこかに線引があるのではないかと思います。
価値とは絶対的なものではなく、自分がそうと決めた価値がそこに存在しているに過ぎません。
命ですら、自分が大切であると思うから大切なのです。
そこに命という価値が存在しているわけではなく、人間がそう感じているから価値が存在しているのです。
お金についてはよく言われていますが、「信用創造」ってやつですね。
我々サピエンスのこういった「信じる力」が文明発展に役立ってきたというのは、サピエンス全史にも書かれていることですが。
この「信じる力」は悪用可能なのです。
浪費しない人生がつまらない … は洗脳
これは洗脳だと思います。
洗脳ってパワーワード的であまり好きではないのですが。
現在の資本主義を維持する上では人々がお金の流れを作らなければいけないので、お金を使わせる方が世の中がよく回るのです。
得をしているのはルールを作っている人たちですが。結果的に我々の生活を支えるインフラや社会保障も、お金を使う人がいればいるほど盤石なものになっていくはずです。
しかし、資本主義にはすでに歪みが生じているのも事実。
それはトマ・ピケティ氏の書籍21世紀の資本に書かれてあるとおり
お金を使ってお金を生み出すほうが効率がよくなっていて、労働生産性の増加はそれに負けているという問題。
ここにハマっている限り、永遠に安息は得られません。
浪費に価値を見出して生きている限り、哲学者エピクロスの言う「平穏」は訪れないのです。
浪費ができない苦痛な人生から、浪費をしない人生を楽しむには
所詮人生の価値なんてものは自分が決めているので
価値がある と思えば勝ちがあるし、 ない と思えばないんですよね。
浪費行動の裏には何かしらの欲望があるはずですが、それは個人個人が気づかなければわかり得ない事。
気づくというのは、言葉を超えたものです。
理解とは、言葉で説明できることとは限りませんからね。自分の事となれば尚更です。
- 価値とは何か
これを問い続ければいいんじゃないでしょうか。
この世に価値なんて存在しないというと、虚無主義者かと思われそうですが。
虚無主義がよくないというのもまた価値観でしょう。
この世に価値が無い事を認めた上で、より良く自分の信じる道を生きる人をニーチェは「超人」と呼びました。
浪費できない人生がつまらないと思うのは、事実がそうであるからではなく「あなたがそう決めているから」に過ぎません。
そんなものなんですよ。
底から抜けるのも同じ原理をたどればいいだけ。
お金を使わない事で得られるものを知るのも手かもしれませんね。
お金を使わないで得られるものは「時間」です。
ぼくは時間以上に価値のある資源は「命/健康」だけだと思っています。
時間を自由に使うことが最も価値があると感じています。
お金で買い戻す事ができないからです。だから時間を浪費する事もお金を浪費することも、もったいないと感じますし、それはボクの価値観です。
浪費するという価値観も良い と思います。それを否定するつもりはクソほども無いですが。
浪費すると時間は減るよ。って事は覚えておいた方がいいでしょう。
将来的に最低限必要になるお金を使ってしまうと、その分時間を売って稼がなければいけなくなりますから。
生活に不要なものを欲するためにお金を使うという事は、言い換えれば未来を売っているんですよ。
まとめ
- 価値は存在しているのではなく、自分がそう思い込んでるに過ぎない
- 浪費しない人生に価値がないと思うのも自分
- 浪費しない人生を楽しめるかどうかも自分次第
- 浪費しないとつまらない=自分がそう思い込んでるだけ
- 大衆にそう思い込んでもらえる方が社会的には良い
- ただ個人レベルで見れば、浪費は人生を苦しくさせる要因であると思う
- 時間より大切な資源は「命」くらい
- お金を使うと未来の時間が減る
こんな話。最後にちょっと余談ですが。
どんな主張も、意見も、どう捉えるかは人それぞれ。
芸術の世界ではよく聞く話ですけど、歌や作品は作者の手を離れた時点で受けて次第で形を変えるものです。
魔女の宅急便の作者角野栄子さんも、ジブリに作品を任せるとき、そういう気持ちだったとか。
この手放しは、記事を描く事だけじゃなく、表現全てに言える事だと思うんですよね。
ブランドで自分を着飾る事も、アイドルに投げ銭することも、表現の一つですが、こういう表現は基本的に相手の反応を求めすぎていると思うんですよね。
相手がブランドものを着てようが、どこの誰だかわからない人にいきなりお金もらおうが、それによって相手を特別だと思いますか。
お金もらえたら嬉しいかもしれないけどね。その嬉しいは何に対する嬉しいなのか、それも含めて、自分の表現、行動を見直してみたら浪費ってなんなんだろうってのが自分なりに見えてくるかもしれませんねぇ。
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