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漫画描きが、漫画や絵の事、作品レビュー、セミリタイアなどについて書くブログ

売れる漫画には「あるある」が不可欠

漫画の脚本に悩んでる時、映画の脚本術を学んでもなんかしっくりこないんですよね。

理由は単純で、巷に溢れてる映画脚本術はズレてるからなんですが、

「映画の脚本術だから漫画にしっくりこないんだ」

と勘違い知てしまいがち。

実際は根本的にあの脚本術に欠点があるんですけどそれは別記事で書くとして。

www.inoinu.com

じゃあ漫画脚本、漫画にかかわらずすべてのエンタメ作品に必要な脚本ポイントの1つとして

「あるある」なベタ展開をやろうって事について、書かせていただきます。

あるあるが必要な理由:漫画は「コミュニケーション」

なぜあるある(ベタ展開)が必要なのか

それは漫画、というか創作物は「コミュニケーション」だからです。

コミュニケーションの重要なポイントの1つとして

共通項を見つける

というものがありますが、漫画も同じ。

こうなったらこうなるよね。というお約束、あるある、ベタな展開というのは

読者にその作品に共感してもらう上で非常に重要です。

「奇をてらった展開」ばかりやっていると

よくもわるくも読者の共通項にひっかからず、共感してもらえません。

敵にやられそうな仲間がいたら、突然主人公が間に割って入ったり。

地味子扱いされてるヒロインがメガネを取ったら美人だったり。

こういう具体的なもの以外でも

もっと抽象的なあるあるも数多く存在します。

これらはカタルシスを体現しているものなので

基本的に裏切らずあるある通り進めていればいいのですが

時には王道からずれることも効果的だったりしますよね。

でも「ベタ」から外れるには「ベタ」を知らなければいけません。

あるあるの必要性はコミュニケーションの共通項を探す上でも

カタルシスのパターンを知るためにも

ベタから外れるためにも必要なんですね。

ベタから外れる場合は脚本の中にあるあるが存在しないのではなく

「ベタから外れた」と認識してもらった必要があり

その認識が通じた時点でコミュニケーションは成立するわけです。

つまりベタ展開の道筋は表現しなければいけないので、ある意味「あるある」が入っているとも言えるわけです。

あるあるがわからないとつまらない

アメリカのコメディで笑処かわからない事ってありますよね。

もちろん面白いものは面白いけど

何の話?ってなることが。

翻訳者さんが気を使ってローカライズしてくれてる事もありますが

そのままの内容だと意味不明です。

ボクはBigbangtheoryという洋ドラが好きで観ているんですけど。

翻訳前だと、元ネタがわからないギャグが結構出てきてます。

まぁつまり、共通項のコミュニケーションができてないものって

面白くないんですよね。

文化の違い、なんてよく言いますがこれも共通項。

漫画読者が楽しめる作品とはどういうものか

それを知る事、つまり、「あるある」、ネタ、パターンを知ることって重要なんですね。

わかってもらえないって、ストーリーやネタの質以前の話なんで。

漫画あるあるの集め方

では、どうやって漫画あるある

というか

脚本のための「あるある」ネタを集めるのか。

自分のアウトプットに合わせたメディア形式で大量にインプット

まずは自分が発信する、アウトプットするメディア形式と同じものをインプットすべきです。

小説家なら小説を

漫画家なら漫画を

とにかく大量にインプットする事から始まります。

何冊だとかって基準はあえて設けませんが。

小説家の石田衣良さんは自分が書こうと思っている小説と同ジャンルの小説を1000冊読めと言っています。

パターンを知るという表現をされていますが、ボクこの記事で述べている「あるある」と同義と思っていただければ。

とにかく自分が発信したい形式で、描きたいジャンルをとにかく読み漁る。

これが出発点ですね。

その後はメディア形式にこだわらず、幅広く「エンタメ作品」をインプットしていけばいいのではないかと思います。

まずはマンガ描きなら大量に漫画を読むのが最速です。

とはいえ、漫画というのはメディアの形式の1つなので、読まずに描くことは全然可能。

でもそういう場合、小説や映画を沢山見てるとか

結局は人が「良い」と思うものを知らなきゃ描けないんですよね。

街中やカフェで人の会話を聞く

共感は「日常会話」の中にあふれています。

自分で会話してると自分の付き合いの中での会話になってってしまいがちなので

他人の話を聞きましょう。

カフェはオススメ。

若い子からおばさんまで居ますので

ターゲットがおじさん層や大学生なら居酒屋もいいかもですね。

とにかく外で人の会話を聞くのは結構ありです。

時事ネタやはやりネタには注意

今はやってるお笑い芸人のネタや、時事ネタを利用したものは

時の流れとともに廃れてしまいます。

その当時の時代背景がわからないと面白くないネタというのは

コンテンツを自分の資産にするという上では効果的とは言えません。

せっかく作った作品です

長く読んでもらいたいと思いますよね。

だったら一時的な流行り物を利用するのはやめておきましょう。

それが根を張ったものなら問題ないですよ。

例えば、今やっている大河ドラマから気づきを得てその時代のものを描くとか。

たしかに大河ドラマとして今流行ってるのは一時的なものですが

歴史という観点でみればこれは廃れる事はありませんから。有効な手段です。

自分がやろうとしているネタが一時的なもの、時事的なものであるなら避けるべきかとボクは思います。

ネットでちょっとあげるようなネタなら別にいいんですけどね。

ベタを集める脚本術 まとめ

という事で

とにかくベタを集めよう。あるある、共感されるもの、共通項を表現しよう

という話でした。

読者の期待を裏切るのも大事なのですが

面白く裏切るためにも、ベタを知る事は大切です

そのためには、作品や「あるある」の大量のインプットですよ。

正直、脚本術なんて知らなくても「あるあるの詰め合わせ」でいい作品作れますからね。

石田衣良先生もおっしゃってますが、パターンを知るのって大事なんですね。