いぬお小話

独身漫画家が楽に生きるための考察を練るブログ

【宝石の国6-8巻】個人のアイデンティティをどう定義するのか【感想】

宝石の国6巻~8巻が面白かったので感想

個人のアイデンティティはどこにあるのか、ふわふわとした怖さが含まれてるなぁと感じたのでその記録。

※※※ ここからはネタバレを含む可能性がありますので、作品をご覧になっていない方はご注意ください。

今回の話は…個人のアイデンティティはどこにあるのかという事

主人公であるフォスフォフィライトは、脆く、壊れやすい存在だった。

そして彼女(彼?便宜上今回はボクのイメージで彼女でいます)身体を多く失いつつも、あらゆるものを取り込んで独特の存在になっていく。

手足を失ったフォスはアゲート、外殻、白金などを取り込んで強い存在になっていく。身体と記憶の関係から、様子は少し違えどもドジなフォスは変わらずだった。

そんなフォスがある日、頭を失います

ここでその時相方であったカンゴームの提案で「ラピスの頭」を装着する事になります。

ここでボクは「あれ」と思ったんですわ。

これは…誰だ?

身体を失っていた時、別の金属を取り込んだとしてもボクの中では「フォスはフォスのまま」でした。

でも頭をつけた場合、「それはフォスなのか?」と疑問が沸いたわけです。

彼女達は「宝石」であり人間ではない。だから頭の中に脳というものがあって、それがアイデンティティを定義しているとは言えないわけですが。

人間でも(記憶転移 - Wikipedia)の(移植による記憶や性格の変化)なんて話もありますから、手足、内蔵の移植によって個人に変化がもたらされる可能性は無いとは言えないのかもしれない。

もちろん記憶転移には反論もありますし、実際事実かどうかは未確認な要素です。

とはいえ、今回は頭部の挿げ替え、つまり実質「脳の移植」になるわけです。

つまりこれは誰なんだ?という話になる。

現在、人間の脳移植は倫理的に認められていないようですし、人でのデータはない。

つまり、脳を移植した場合、脳を取り替えた場合「個人」がどこにあるのかを科学的に証明出来たケースは無いという事になるはずです。

現代の僕らは「脳に個人がある」と思っている人が多いはずですが、UCLAの研究で腸内細菌が脳、性格へ影響を与えていることが確認されています。

本当に僕らのアイデンティティは「脳の中」にあるんだろうか。

そんな事を考えてしまう話でした。

スワンプマンみたいですね。

フォスは目覚めたわけだけど

頭の移植が終わったフォスは100年近く眠り続け、目を覚まします。

その時「フォスはフォスのまま」でした。

この瞬間、この作品でのアイデンティティは「性格」を指しているんだなと思ったんですが、それは間違い。

フォスがフォスのままであったのは、その瞬間だけ。

そこからフォスは一度眠りにつきます。

夢の中にラピスが登場、フォスと会話をします。

ラピスは「自分に何かあって、自分の一部が別の誰かのものになった時のためにインクルージョンに伝言を託しておいた」と言っていました。

微小生物とは彼女たちの身体にすむ微小生物の事。

ここはまだ引っかからなかったけど、ラピスの頭をつけたフォスの中に「ラピス」を感じる取る者たちが現れます。

その時感じたのは前述した腸内細菌の話。

性格に対して腸内細菌の影響が及ぶのであれば、「脳をすげ替えた人間」は元の性格のまま別の身体には移らないのではないだろうか。

もし、宝石の国の世界のインクルージョンが、現代の腸内細菌のようなものであったとした場合。

フォスはフォスの性格のままいられないはずで、現に頭以前の別の部分の結合によってフォスは多少なりとも変化をしてしまっています。

僕ら現代人、というか現実の人間とこの事象を完全にイコールで結ぶことはできないけど。

個人のアイデンティティを形成しているものは、必ずしも「脳の中」だけに存在するものではないのではないかとそんな事を思ったりしました。

まとめ:宝石の国6~8巻は 「個人のアイデンティティはどこにあるのか」考えさせられる内容だった

宝石の国、何巻まで出てるのかわからないけど。この後もフォスが何かを失って何かと繋がり続けていくと、彼女を構成している身体はもう元の彼女のものではなくなる時が来るんじゃないかと思うわけです。

そうなった時、彼女を彼女たらしめるものはなんなのか。

独特な雰囲気を持っている作品でしたけど、この作品、面白すぎますねぇ。

キャラが多すぎて覚えきれないのが難点ですが…。

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