メンタルハックの公式を考えてみる。
注意:うつ病治療を目的としたものではございませんので、うつ病の可能性があるかたは、専門家の指導を受けてください。
メンタルハックはややこしい
基本的にメンタルハック術はややこしい
最新心理学!とかばんばか紹介されてもついていけない。
メンタルやんでる時にそんな新しいものや複雑なこと、時間がかかることをバンバカやれないから、単純化が必要だ。
って事で単純化していきたい
ベースは認知行動療法とマインドフルネス
ベースは認知行動療法とマインドフルネス(メタ認知)にあると思う。
心理学やストレス対処、哲学を学ぶウチに
- 事象(現実や過去未来、妄想)
- 人間の認知(考えや信条) +行動
- 感情
これらを別々にしなければならず、変えられるのは「認知と行動」のみという事に納得ができた。
そして認知を変えるには気づき(マインドフルネス/メタ認知)が必要であるということも。
これらをベースに公式を考える
メンタハックの公式
STEP1 基本の基本はマインドフルネスとCBTの理解
- マインドフルネスとCBTのコラム法(単純なものでよし)を日課にする
- ストレス状況に出会ったら認知の再認識をする
スタートはこの二つ。これが出来ないと認知はそのままになる。
STEP2 初級ステップ 感情の点数付け
上に対して
- VAS感情スケールで点数をつける
最も単純な点数をつけることで客観視する方法。まずはこれで練習。
客観的に点数をつけるだけで楽になる
STEP3 ストア哲学を使った認知の切り分け
- 自分次第の物事かどうかの判別。
ストア哲学の根本思想。
「自分次第でないものは軽く見る」「自分がコントロールできることだけに意識を向ける」
まず、自分次第の事だけに意識を向けていれば悩みの8割9割は、考えるだけ無駄だから放っておくものとして分別できる。
- 嫉妬
- 相対比較
- 不安
- 後悔
- 他人の考え、気持ちを正したい、変えたい
など、何もできない事に対しての悩みや思考は「考えてもどうにもならない」という認識を持つ事。
その考え方を受容したり、別の考え方を考えてみたりして対処する。
注意点としては…例えば不安については「今できる事はあるか」と考えるのは大事。不安で有り続けるだけでは意味がないが、何かできることがあるならその行動を取るしか無いという認知に変えていく必要がある。
認知の複雑性
別の考え方を増やすというのは認知の複雑性を高める事ができる。
一つの物事に対して一つの考え方しかない状態より、多くの考え方をもっている方がメンタルに良いらしい。
STEP4 認知の歪みで考え方を客観視
認知の歪みのふるい分けをする。
STEP3の「自分次第かそうではないか」のふるい分けがすこぶる万能なので、これを行ったが、まだ納得できない場合、認知の歪みリストを使う。
うつ治療に用いられる認知の歪みは10種類がベースだけど、行動経済学などでよく持ち出される「サンクコストバイアス」「アンカリング効果」なども在る種認知の歪みなので、どこまで深堀りするかは優先順位次第。
認知の歪み、心理トリックなどは、知っておいて損はないが、まずはメインの10種類前後を覚えてトライするのがベターだろう。
ぐぐればくさるほど出てくるので割愛。参考リンクはっておきます。
思考を狂わせる13個の「認知の歪み」……あなたはいくつ当てはまる? - STUDY HACKER|これからの学びを考える、勉強法のハッキングメディア
認知の歪みとは?代表的な10項目と具体例を紹介します。|うららか相談室
白黒思考や完璧主義やべき思考、などはうつ病でなくとも現代人が陥りやすい代表的な認知の歪みと言える。
認知の歪みは生み出される感情がどうであるかというのが問題であって、認知の歪みそのものが完全に悪いわけではないというのも注意が必要。
例えば、完璧主義であることが、作品や仕事へのクオリティを高める事につながるのなら悪いとはいえない。しかしそれによって無理をしすぎてしまうなら変える必要があるという感じ。ケースバイケースなので、認知と感情の結びつきを上手に観察してバランスをとる事が大事。
STEP5 行動活性化療法を使う
実際に、認知の歪みを正して心が改善してきたら行動活性化療法を使って行動量を増やしていく。
手順は色々あるけど。面倒くさいので単純化する
- 行った行動をメモ
- その行動に対して「抑うつ度」もしくは「満足度」を100点満点で記録する。
- どんな小さな行動に対してもできるだけ、頻繁に行う。
- 行動力がない抑うつがひどい場合は、1時間単位で区切ってメモしていくのもあり。(例:ずっと寝ていた…抑うつ度50)
行動活性化療法で動く事(何か活動すること)で得られる満足度や、動く方が抑うつ度が減ると気づくと、自然に活動的で生産的な行動が増えるので、仕事にも有用。
後は自分のメンタルと相談しながら、嫌なことがあったり、日々の内省としてCBTとマインドフルネスを継続していく。
まとめ
個人的な感想ですが、認知行動療法/CBTはじめてから、本来のメンタリティを取り戻してきた。
アニメを見たりドラマを見たりが楽しいと思う事が増えたり、絵を描く楽しさが昔のようにもりもりと湧いてきた。
人間、抑うつ状態になると楽しいという感情を失いやすくなる。
それは自己肯定感の低下や、虚無主義によるもので、それらを打破していくのにCBTのワークは有効性が高いと言われている。
しかし、何故か人間は最新科学や目的別のあれこれに惹かれてしまって根底の「認知を変える」という効果的アプローチに対する、エビデンスゴリゴリの存在を無視してしまい、謎のYoutuberの助言に耳を傾ける。
認知を変える事の効果は、体感として実感してるけど。
これが万能というわけでは、もちろんない。
僕は過去にACT(認知行動療法の派生セラピー)を自主的にやっていたが、いまいち実感がもてなかった。
人には合う合わないがある。
認知行動療法はマインドフルネス療法、ACT、弁証法的行動療法、行動活性化療法など複数派生が存在する心理療法だけど、認知行動療法のベースの知識である「認知が人間の感情を作っている」というのは、本当に人生を変えるレベルの発見だと思う。
もっともっと単純化して、メタ認知と認知への対応を変える事の重要性をコモディティ化できれば
もう少し、マシな世界になるんじゃないかと。そんなことを思う。
しかし。やっぱ結局複雑化するな。むずかし。

- 作者:デビッド・D・バーンズ
- 発売日: 2013/07/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)