ちょっと元のトーンに戻して
最近は、マルクス・アウレリウスの自省録に見習って、自分が思ったことを自分のために書きなぐってるんですが。
これがQOL向上、幸福論、生産性、時間術にくっそ効果を出してるので、それについて。
あくまでも現在のボクの理解のレベルでの解説になりますんでご留意ください。
ストア派(ストア哲学)とは
禁欲主義の哲学
禁欲というと、なんかもんもんとしたものを我慢するイメージだけどそういうアレではなくて。
ロゴス(自然、理性) をもって、情念を制し、アパテイア(無情念)を目指す哲学です。
ロゴスとは
ロゴスってのは、適切な日本語が無いらしく。
自然とか、理性とか、秩序とか、そんな感じで訳されてるみたい。
まぁでっかい流れみたいなものがあって、それの正しいルートみたいな感じ。
現代の物理学で言えば、宇宙の秩序無秩序とか、自然法則みたいなものですね。
それを理性と定義してるので、現代の「理性」とか「欲」「自然」という単語でそのまま理解しようとすると、ちょっとズレます。
この辺は人が誕生した理由、人が生きている理由として、下記の絵本が理解しやすいかも。
仏教の無情や、ウパニシャッド哲学の梵我一如などにも理解のヒントがあるかな。
情念、無情念
これはまぁ感情の事と捉えたのでOKじゃないでしょうか。
情念をロゴスに習って制して、無情念。
この辺は、老師の「足るを知る」とか、仏教の悟りと同義の価値観かと思います。
禁欲主義とは
要はこういった自然の摂理的なものを大事にして、無用に感情に振り回されず生きていきましょうねみたいな哲学。
反対として快楽主義とされるエピクロス派の哲学がありますが、これ真逆って事ではないですね。同一思想が含まれてますし。
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「禁欲」というより、「悟り哲学」とか「マインドフルネス哲学」とか「感情に振り回されない系哲学」とかそんな感じ。
エピクロスとの違いが明確に出ているのは
- アタラクシア(心の平穏)を目標としている エピクロス派
- 幸福が目的
- アパテイア(無感情)の結果、幸福がやってくる というストア派
- 幸福は結果
という感じが違うかなと。個人的にはエピクロスの考え方は好きですが、仏教やストア哲学の方が現状を受容出来る分、現代人に受け入れやすいかなと思います。
ネットのせいで相対比較が簡単になった現代では、「足るを知る」をただ実践する事が困難になってるようなので。
善い 悪いとは
ギリシア語での善い悪い?なのかストア哲学での善い悪いなのか、そこはちゃんと調べてないんですけど
- 善い …自分のためになる
- 悪い… 自分のためにならない
って事ですんで。この善い悪いに道徳的な意味はないそうです。
だから別に、禁欲主義と聞くと、漫画家なんて下世話な商売してる自分は受け入れられない哲学だと思わなくてOKみたい。しらんけど。 まぁ、宗教信仰するわけじゃないので、カスタマイズすればいいんですわ。そのあたりはね。所詮自分の思想だからね。
自省録とは
ストア派哲学者の代表の一人、哲人皇帝マルクス・アウレリウスが、日々を振り返った瞑想記録で、ストア哲学実践記録です。
自省録は自分自身に対しての記録なので、マルクス・アウレリウス自信が、できていない事、振り返りたい事を振り返った記録だと思って読むと、親近感がわきます。
超人的な話を他人に説いてるのではなくて、「あーこれもできなかった、あれもできなかった」という自分に対する「これはこうしておくのが善い生き方だ」という哲学的理想の自分による反省ですからね。

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瞑想というと座って胡座をかいて…ってイメージを持ってる方が多いと思うので、内省の記録と書いた方がしっくり来るかも。
日本語版では「自省録」とされてますが、英語版は「Meditations」で、まさに瞑想という意味のタイトルがついてます。

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もちろん、現代風に訳されてる超訳版の方が読みやすいです。
ストア哲学を実践
ストア派哲学には「書く瞑想」がありまして
自省録はまさにそれの実践の記録なんですね。
樺沢紫苑先生の「アウトプット大全」では
インプット3: アウトプット7 がベスト
って事が書かれてますが、書く事でいっぱいアウトプットして哲学を自分のものにするという実践方法が大事にされてるみたい。
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脳に知識や思考を記憶させるには、アウトプットってのはものっそい重要なんすね。それについては学習法の検索練習についてを参照。
思想も、哲学も、すぐ使える知識にするまで落とし込まないとそれを活用できないという意味においては、記憶するという同じ方法をとるのはベストだと思います。
ビジネス本何百冊読んでも人生かわんねぇわって人は、実践できてないからなんだけど、思考レベルで変えなきゃいけない事って結構あるので、無理もないかなと思います。
読んでも変われない。使えるところまで落とし込まないと。
まずは知る事
まずはどういった哲学か知る事ですが
一番のポイントは
- 自分がコントロール出来るものにだけ集中して、コントロールできないものは受け入れる
ってところかなと思います。
ニーバーの祈りのような思想ですが、自然摂理に従って生きるストア哲学では、自分の無関係なものに時間を割く事を一つの欲と定義してるみたい。
現代風に例えるなら
- 政治
- ゴシップ
- 感染症ニュース
- 他人のSNSへの意見への不平不満
こういうのに無駄に時間を割く事を「何もできないのに、知りたい欲に振り回されてる状態」と定義してると考えるとよろしいかと。
セレブがどんな人と付き合おうが、どんな車にのってようが、いくら稼いでようが、それを知って何になるのかわからんけども、LINEのニュースってそんな糞ニュースで埋め尽くされてますよね。
それだけ需要があるって事なんだろうけど、こういうものに時間や感情を割いてると、キリがねぇのでやめましょうって事。
その他にも、運命に対する考え方や、精神を強く保つ意味などが説かれてますので、超訳版を一通り読んで見る事をおすすめ。
あとはアウトプットするのみ
そこからはひたすら日々コツコツアウトプットするのみです。
失敗したこと、もっとこうしたかったこと、振り返って反省記録を書いて、どう生きたいかの起動修正を繰り返すだけ。
だけなんだけど、
そこに哲人皇帝マルクス・アウレリウスや、奴隷の哲学者エピクテトスの過去の思索という指針があるのが心強いです。
なんだかよくわからないYoutuberの人生哲学聞いてるより、信頼性があるし、皇帝と奴隷という真逆の二人が貫いた哲学ってのがまたその魅力を大きくしてる。
ボクはずっと哲学って暇人の道楽的なものだと思ってたので、哲学を学び始めた後も、その考えはあまり抜けてなかったんですけど。
この二人で考えが一転しました。
指針が無いとブレるけど、生きてる誰かを指針にするのは何やら色々怖い時代ですし。ボクはインフルエンサーにカリスマ性感じませんからね。
この二人の存在は、哲学的に畏敬を感じますし、習って生きようと思えるので、ふわふわしてた哲学レールがしっかりした感じ。
どんな状況でも 自分の意思は自由
哲学者になりたかったのに皇帝という立場。そして、誰もが大変だと思う奴隷という立場の二人であっても、常に意思は自由であるという事を教えてくれるストア哲学は、多くの人に受け入れられる思想かなと思います。
- お金があるから
- 恋人がいるから
- 家族がいるから
- 家があるから
- 食べ物があるから
世界で今、現代豊かな人たちがいくらなにを言っても、そうでない人に響かないのは、こういう条件付があるからだけど。
これを言ってたあらキリがない。
幸福や自由について、無駄に条件をつけて、テレビの向こうでやってる謎のマリンスポーツやってたり、意味もなく衣装部屋があって1000着以上に衣装がある世界が幸福だと思ってる人は読んで実践すると感覚変わるかも。
自分の幸福や自由についての束縛から離れて、人生を「楽」にしたいなら。ストア哲学の実践は最適解だと思います。
時間が増える
なんにも考えずに書いてたら、本来描きたかったトピックが最後になってしまった。
- 自分がコントロールできることだけに集中
- 上をひたすら自分に言い聞かせるためのアウトプット、メモ、日記、記録をつける
これを実践するだけで
時間がくっそ増えます。マジで。
コレ初めて数日で、ネット中毒が治ってしまった。
意味の無いもの、自分のためにならないものに時間を割かなくなりました。
その分仕事がっつりできるし、ゴロゴロもできます。
「ためになる」ってのも自分の価値観で他人とは違いがでるので、現代的な「自己投資」とは考え方が全然違ってくると思ってます。
のんびりするのだって自分のためになるし。
だけど、意味わかんないゲームをぽちぽちひたすらやったり、ネットでずーっとコロナニュースおいかけたり。そういう事を全然しなくなった。だってためにならないから。
それを活かせる人は活かせばいい。そういう人にとってはためになるんだからやればいい。
けどボクには役に立たなかったので。
それを自問自答するストア哲学は、必然的に 自分のためにならない自分の行動や感情を自分の人生から排除する事が出来るんですよね。
生きるのくっそ楽になりますよ。
ぜひどうぞ。
やっぱブログちゃんと書くの向いてねーわ。記事ががちゃがちゃになっちゃったじゃねぇか
余談:ストア哲学の学び方
動画でざっと知るのが一番速いかと。最近はほんと便利になりましたな。
- 100分de名著 「自省録」(NHKオンデマンドにあります)
- エピクテトス関連のYoutube
- マルクス・アウレリウスについての Youtube
以下書籍
もっと詳しく、深く考えたいなら書籍は必読
深堀りするのはマニアな領域かと思うので、自分の人生に使えるレベルの大枠だけわかれば良いなら、超訳版の自省録とエピクテトスの簡易版のにざっと目を通せば十分かと。古典は読みづらすぎますからね。

- 作者:マルクスアウレーリウス
- 発売日: 2007/02/16
- メディア: 文庫

マルクス・アウレリウス『自省録』 2019年4月 (100分 de 名著)
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- 作者:マルクス・アウレリウス
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