いのいぬ.com

漫画描きが、漫画や絵の事、作品レビュー、セミリタイアなどについて書くブログ

【くちびるに歌を】合唱と青春と「ぐっと堪えたとよ」

くちびるに歌をの あらすじ

長崎、五島列島にある中学校の合唱部の物語。

顧問の先生が出産のための休暇を取ることになって、やってきた美人教師。

今まで女子だけだった合唱部に、美人教師目当ての男子達が入部する事になりぶつかりあいながらもコンクールに向けて成長していきます。

「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」のアンジェラアキさんのドキュメンタリーが元になっているとか。

作者の中田永一さんはミステリー作品で有名な、「乙一」さんの別名義。

登場人物

複数人の視点で話が進みます。

自閉症の兄の世話役として産まれたと感じている、少年、桑原サトル。

母をなくし、ダメな父親との関係悪化に伴い、男性嫌いになった、仲ナズナ。

周りから性格のいい子として認識されている長谷川コトミ。

友人である合唱部顧問が妊娠したことで臨時教員としてやってくる美人教師、柏木ユリ。

合唱部部長の辻エリ。

最初の二人の視点が多かったですね。桑原くんがメイン主人公って事で良いのではないかと。

くちびるに歌を の感想

※※※ ここからは若干のネタバレを含む可能性がありますので、作品をご覧になっていない方はご注意ください。

オーディオブックでの読書?でした。

非常に良い作品。

正直ドラマをまとめきれる自身がないので、感想は軽く桑原くんについて語りましょう。

桑原くんは自閉症の兄を抱えているという立場です。

産まれてきた時から「自分の役目は決まっていた」と感じて生きています。

その上、コミュニケーションが苦手で友達も出来ず、ぼっち街道をまっしぐらの少年。

そんな少年が、転任してきた先生の頼みで音楽室に荷物を運ぶことになり、その流れから入部する事になってしまいます。

桑原くんは天使的な存在「長谷川コトミ」に恋をしてるのですが、長谷川コトミは周りの評価とは裏腹に普通の少女。イライラすることもあります。でもそれを表に出さない事で、いつのまにか「天使的」な存在になっていました。

1年生の時桑原くんはぼっち街道まっしぐらで休憩時間には「寝たフリ」をするという生き方をしており、その時に偶然長谷川コトミの悪態を聞いてしまいます。

しかし、それを聞いていなかった事にして寝たフリをして流すのですが、長谷川コトミは桑原くんがそれを聞いていた事をしっかり自覚しておりました。

ここで、二人の「秘密」が出来てしまいます。

長谷川コトミは他人が自分へ与えるイメージに対して、うっすらと生きづらさを感じていたのでしょう。桑原くんだけが長谷川コトミの本当の姿(裏の姿)も知っている存在になるのです。

その後桑原くんは長谷川コトミが「神木先輩」という去年卒業した先輩と付き合っている事を知ってしまいます。

しかし、神木先輩も長谷川コトミの裏の姿を知らないのです。

ここの関係性は絶妙で素晴らしいと感じました。

長谷川コトミはそして神木先輩が浮気をしている事に気づいてしまうのですが。神木先輩のPCに、互いの同意の上で「よくない写真」が入っている事が気がかりで、その写真の「消去」を行うため、桑原くんにそのお供を頼みます。

<p合唱コンクールの前日。二人は神木先輩の神木先輩の下宿先である親戚の家に向かいます。そこでドタバタ。

窓ガラスが割れたり、デスクトップPCを窓から放り投げたりとドチャクソになるわけですが、そんなものでHDDのデータは消えません。

騒動の後、神木先輩から「見てみるか?」と言われた桑原くん。「自分で操作します」と告げて、写真を消去する。男やで桑原くん。

そんな事があった帰り道、写真を観たのか問われた桑原くんは観ていないと答える。それに対して「興味なかったと?」と聞く長谷川コトミ。

「ぐっと堪えたとよ」

と返す桑原くん。

桑原くん!!!!!!!!!!!

桑原くーーーーーーーーーーーーーーん!!!!!!!!!!!!

なんていいセリフなんだ。これは。

そんな話ですので是非。

どんな話かこれじゃわからんな。小説レビューはむずかしか。

他にも、恋が結構絡みます。ナズナと部長、向井ケイスケの話。

先生達の昔の恋も

そんな色々を乗り越えて、15の君へ。15年後の自分。15年前に自分が産まれた意味。

青春でした。

面白かったんだけど、1つ心残りというか…

結局の所、ナズナがなんか可哀想なーなんて。

ー 15歳といういい青春時代を思い出したい方は是非。